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離婚をするときには財産を分けることになります。そんなときに気になるのが不動産について。住宅ローンを返済した後であれば、それほど問題にはなりませんが、離婚時に住宅ローンが残っていることも少なくないでしょう。
「住宅ローンはどうすればいいの?」といった疑問や不安を抱くかもしれません。その場合には、まずその不動産の名義がどうなっているのか、住宅ローンがどのくらい残っているのかなど、現状を把握することが必要になってきます。
そこで、ここでは何を把握すればよいのか説明していきます。これを参考にして、自分の不動産がどうなっているのか、その現状を把握していきましょう。

不動産登記謄本の確認

まずは、不動産登記謄本を確認してください。不動産登記謄本には土地、建物に関する所在、面積、所有者の氏名、住所、権利関係等が記載されています。簡単に言うと、「その不動産に関して、誰のもので、どんな条件がついているか」といったことが書いてあります。登記謄本証明書は管轄の法務局などで所定の手数料を納付すれば、誰でも簡単に取得することができます。

 

正式な「名義」は誰か

不動産登記謄本では名義人を確認できます。「名義人」とは不動産の場合「登記名義人」といい、法律上の所有者を指します。離婚時に住宅ローンが残っていた場合「この不動産が誰のものなのか」を明らかにすることが大切です。不動産登記謄本を取得したら、この名義人を確認してください。具体的には、不動産登記謄本の「権利部(甲区)」の欄を確認します。最終の欄にあるのが現在の所有者・権利者となります。

 

「抵当権設定」はどうなっているか

続いて、不動産登記謄本の「権利部(乙区)」の欄に注目をし、抵当権設定がどのようになっているかを確認しましょう。この欄には、誰がどの抵当権者(金融機関等)にいくら返却するかが記載されています。多くの場合には住宅ローンを借りたときに、住宅ローンを借りた銀行が抵当権を持っています。

住宅ローンの確認

不動産登記謄本の確認が済んだら、今度は住宅ローンの確認をしていきます。住宅ローンの契約には主に3つのパターンがあります。それぞれ以下に見ていきましょう。

 

パターン1:夫-主債務者  妻-連帯保証人

夫の収入だけではローンが通らず、妻の収入と合算してローンを組んだといったパターンです。夫の返済が滞った場合には連帯保証人である妻が支払いの責任を負います。この責任は離婚した後もずっと続きます。

 

パターン2:夫-連帯債務者  妻-連帯債務者

共働きなどで、夫も妻も連帯債務者の場合です。双方同じ支払い責任を負います。

 

パターン3:夫-主債務者  妻-債務負担なし

夫の収入だけでローンを組んで、夫だけが支払いの責任を負います。

主債務者が支払いすることになりますので、財産分与の話し合いをするうえで、どのパターンに当てはまるのか確認しておくことは大切なことです。これを参考にして、自分たちがどのパターンに当てはまるのかを確認しておきましょう。

 

不動産の価値を確認する

最後に、現在の不動産の価値を確認します。これは不動産業者に依頼して、不動産売却額を査定してもらいましょう。その結果と住宅ローンの残高を照らし合わせ、「オーバーローン」なのか「アンダーローン」なのか確認していきます。「オーバーローン」と「アンダーローン」について、それから売却した際の注意点を以下に見ていきましょう。

 

オーバーローン

オーバーローンというのは、ローン残高が不動産売却額よりも高い状態のことです。

「ローン残高 > 不動産売却額」

オーバーローンの場合には、不動産を売ってそれを返済に充てても、住宅ローンが残ってしまいます。そのため、オーバーローンの場合には不動産の売却はせず、どちらかがその家に住み続けるケースが多いようです。もちろん、住宅ローンの返済は続くわけで、返済をどうするかについては話し合うことになるでしょう。

売却した際の注意点についても見ていきましょう。どちらかがその家に住み続けることが多いとはお伝えしましたが、金銭的な問題を中心として不動産を売却することもあるでしょう。その場合、売却額を返済に充てても住宅ローンの支払いは残るということに注意しなくてはなりません。支払い自体は主債務者がおこないますが、そのお金をどうするかについて話し合う必要があるでしょう。

 

アンダーローン

アンダーローンというのは、ローン残高よりも不動産売却額が高い状態のことです。

「ローン残高 < 不動産売却額」

アンダーローンの場合には、不動産を売却して住宅ローンを返済しても、手元にお金が残る状態のことです。この場合、不動産を売却すれば支払いの責任が残らないので少し安心する方も多いのではないでしょうか。ですが、売却したときには、不動産を売って手元に残ったお金について注意が必要です。これも財産分与するもののうちの1つです。どのように分けるのか話し合う必要があるでしょう。
アンダーローンだと、売却しない場合に注意が必要です。売却しない場合には、どちらかがその住宅に住むことになるでしょう。仮にAさんが住み、Bさんが転居するとします。不動産も財産分与の対象となるので、もし売ってローン返済したときに手元に残るはずのお金を、AさんからBさんに支払う必要があります。その場合には住宅ローンの残りはAさんが支払うことになります。つまり、Aさんはローン返済しながらもBさんにお金を支払うことになるというわけです。住む選択をした場合にはこのことに注意しておく必要があるのです。

 

以上、離婚時に住宅ローンが残っていた場合にどうしたらよいのか見てきました。まずは名義人などの権利の確認をして、続いては住宅ローンの残高の確認と、不動産売却額の査定をおこないます。そのうえで、どちらかが住み続けるのか、売却するのか判断します。その際の支払いについても話し合っていくということになります。離婚するときには様々なことを話し合う必要がありますが、その中の1つとして不動産に関して説明してきました。離婚をすることになってしまったときには、これを参考にしてみてください。

 

不動産売買に関するご不明点等ありましたら弊社までお気軽にお問い合わせください。専門のスタッフが丁寧にご対応いたします。

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